7月について

「芥川賞と直木賞の違いは?どちらが格上?創設者は?両方受賞は可能?」

芥川賞と直木賞と言えば、毎年出版業界が最も盛り上がる風物詩とも言える賞ですが、やはり、最近特に話題となったのは、もう早3年も経ちましたが、2015年の芥川賞「又吉直樹」さん、直木賞「羽田圭介」さんのお二人の受賞ではないでしょうか。

よしもと芸人の又吉さんが一気に「先生」と呼ばれるようになり、羽田さんは、そのキャラクター故か

やたらとバラエティー番組で見かけることが増えました。

それくらい、この2つの賞が作家人生に与える影響力が、いかに大きいかを改めて世の中に強く知らしめることとなったと言えると思います。

でも、毎年疑問に思いながらも・・・うやむやになって・・・そのまま、次の年の受賞者の話題が持ちあがり・・・というループが頭の中をグルグル巡っている人も多いと思うのが・・・

「芥川賞と直木賞って何が違うの?」「どういう基準で選ばれるの?」ということです。

恐らくこれに正しく答えられる人は、限られていると思いますし、よほど日本文学が好きな人ではないかと思うのですが、あなたはいかがでしょうか??

そこで今回は、「芥川賞」と「直木賞」の違いや創設者、また、両方受賞は可能なのか、についても詳しく説明して行きたいと思います。

まず、「芥川賞」「直木賞」ともに、創設されたのは、1935年(昭和10年)で、あの文藝春秋社を創業した菊池寛氏によって創設されました。

まず、分かりやすく共通点から言うと、両者とも年2回の授与で、

上期が、「12月1日~5月31日に発表された作品で、7月に選考されて8月に贈呈」

下期が、「6月1日~11月30日に発表された作品で、1月に選考されて2月に贈呈」されます。

つまり、1年間にそれぞれ、2作品ずつ選ばれるということですね。

ちなみに、文藝春秋社の中の日本文学振興会によって選考、贈呈されます。

両者とも懐中時計と現金100万円が贈られます。(意外と質素ですが、与えられる名誉が絶大です)

次に、それぞれの特徴を書いて行きましょう。

まず「芥川賞」は、正式名を「芥川龍之介賞」と言います。

かの名作家、芥川龍之介にちなんでつけられました。

対象となる作品は、「純文学」で、新聞、雑誌、同人誌に発表済みであること、また、原稿用紙100~200枚の短編小説を書いた無名・新進作家というのが条件になります。

かたや「直木賞」は、正式名を「直木三十五賞」と言います。

こちらも大正時代の作家、直木三十五氏にちなんでつけられました。

(少し、変わった名前ですが、三十一歳で作家デビューをして、「三十一」だった名が、「三十二」、「三十三」・・・となり「三十五」まで改名を続けました)

対象となる作品は、「大衆文学」で、新聞、雑誌、同人誌、単行本に発表済みであること、また、短編~長編小説を書いた無名・新進・中堅作家というのが条件になります。

この「純文学」と「大衆文学」の定義は、あいまいで、ある意味感覚的とも言えるかもしれません。

現に、「純文学作家」が直木賞を受賞し、「大衆文学作家」が芥川賞を受賞したケースもあるのです。

では、どちらが格上か、という点ですが、これは特にどちらが上でどちらが下、ということはありません。

読者の中には、好みで「芥川賞(つまり純文学系)」がいい、とか「直木賞(つまり大衆文学系)」の方が価値がある、という意見はあるでしょうが、先ほど書きましたように、記念品や賞金は全く同じ、授与する組織も発表や贈呈日も全く同じ、特に差は付けられていません。

そして、両者ともに、作家自らが応募したり、立候補したりは出来ません。

(勝手に、候補に挙げられて、勝手に落とされるという点は、作家さんからすれば、少し解せない点かもしれませんが・・・)

そして、「両方受賞」も今のところありません。

両賞の候補に挙がった例は過去にありますが、同時受賞は前例がありません。

また、一度受賞すると、次からは候補から外されますので、基本的に両賞受賞はありえないことになります。

作家というのは、年齢を重ねて経験を積むことで円熟味が増して、読みごたえが出てくる、という要素もありますが、あくまで、無名・新進(または中堅)と限られているので・・・どれだけのヒット作を書いても、「芥川賞」と「直木賞」の対象には、ならないのですね。

冒頭に書きましたように昭和10年と言えば、昭和恐慌が終わり、その後数々の戦争や国際紛争が頻発した時代背景にあって、とにかく出版業界が大不況に陥っていました。

なんとか本を売ろうとして菊池寛氏が、知恵を絞って生み出したのがこの2つの賞でした。

見事、大当たりしたわけですが・・・・

時は移って平成も終わろうとしている昨今、未曽有とも言える慢性的な出版業界の不況が続いています。

デジタル書籍の普及もあり、本屋さんも減る一方!!

そんな中で、頼みの綱となるのが、「芥川賞」と「直木賞」ではないでしょうか。

私個人としては、「NO BOOK NO LIFE!」、

「本なしの人生は、ありえません!」

これからも、読者を虜にする名作が数多く登場することを願ってやみません。

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